さて、前回の記事では、
今、里山がどんな状態にあるかを
ざっくりとお話ししました。
今回からは
放置山林が私たちにどんな影響を及ぼすか
いろんなテーマで話をしていきます。
日本の森林事情
一度人が手をかけた山には、
本来いなかった動植物が住んでいます。
モウソウチクなどの竹や、
スギ、ヒノキなどの針葉樹が
広がっています。
明治時代以前は、
日本人が使うエネルギーの多くを
木質資源に頼っており、
家はもちろん、薪、木炭、
枝葉の隅々まで活用されていました。
なので、昔の人は定期的に山に入り、
間伐や下草刈り、落ち葉かきなどの整備を
ごく自然に行なっていたのです。
もちろん、伐採した分、
また次の木を植えたりして、
次の世代に繋げていく文化もありました。
ところが、
徐々に石油資源に頼るようになり、
山林の放置が進みます。
結果、現代ではその頃に植えた木々たちが
良質な木材として使えるようになっている
のにもかかわらず、放置されています。
最近ニュースでよく〇〇県で土砂崩れのため通行止め」や「〇〇神社の樹齢〇年の神木が倒れる」など色々なニュースがあります。
みなさんはこれをどう思いますか?自然の摂理だから防ぎ用のないこと?そうではありません。
放置することが災害を起こす、小さく見えて大きな要因になっています。
一見放置することは森林を自然のままにさせて環境を守っているように思える、しかしそれは、、、?
針葉樹林
手入れをしていないスギ、ヒノキ等の
人工林は、枝打ちも間伐もされておらず、
密度が高くなり、森全体が暗くなります。
森が暗くなると、
地表に生える植物に日光が届かなくなり、
木々たちは育たなくなります。
土が痩せ気味になるのに
木々の密度が高いので、
栄養が木々に行き渡らなくなり、
根が浅くなります。
根っこは、想像していただけたら
わかるかと思いますが、
通常は地表に深く根付き、
地面を固めます。
しかし、放置山林では、根が浅いため、
結果として大雨が降ると地滑りを起こし、
土砂災害の原因となってしまいます。
育ちが悪く、倒れてしまった木々たちが土砂と共に押し寄せるのです。
広葉樹林
じゃあ、広葉樹林などで落葉する木々たちは、落葉が土に栄養を与えるから大丈夫だと思いますが、実際は、何十年も落葉が堆積し、地面に数十センチの腐葉土の柔らかい層ができてしまい、結果として大雨でそれが全て流れてしまい、土砂災害の原因になります。
写真のような枯れた木を放置するのも、ナラ枯れの拡大に繋がります。
土砂災害の原因
土砂災害の原因が森林伐採という情報を
よく耳にしますが、
森林面積が昔とあまり変わってない
事実に目を向けると、
土砂災害が多発している原因は、山林の放置にあり!と言っても過言ではないと思います。
この教育を通して、
放置山林の現状を知らない人に、
「なんかもったいないな」
とか思ってもらえたら
僕は嬉しいです。
その気持ちが行動のきっかけになるようにこれからも活動を続けて行きたいと思います。
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